「ボクたち、電車で帰るから・・・高木刑事、送ってくれなくてもいいよ!」
トロピカルマリンランドの帰り道、コナンはいつものように子供らしい笑顔を作り、高木を見上げてそう言った。
「コナン君・・・?」
「大丈夫だよ!乗り換えもないし、ちゃんと帰れるからさ」
「だけど夜ももう遅いし、君たちだけで帰すのは・・・」
「・・・どっちにしろ高木刑事の車じゃ、ボクたち全員、乗れないんじゃない・・・?」
「あ」
コナンに指摘されてようやく気付いたのか、高木は「そうか、しまった・・・」と、頭を抱えてしまっていた。
コナンを含む子供たちの人数は5人。助手席には美和子が座るだろうから、いくら子供とはいえ、後部座席にこの5人を押し込めるわけにはいかないだろう。
「そうか・・・困ったわね」
高木と並んで立っていた美和子が、その形のよい顎に右手を添えて、ふむ、と考え込んだ。
すでに夜の9時近くになってしまったこんな時間に、子供たちだけを電車に乗せて帰すことなどできるわけがない、などと、常識的なことを考えているのだろう。
(・・・ほんとなら、心配されるような歳じゃねーんだけどな・・・)
内心で苦笑を漏らしつつ、コナンはさらに言葉を続けた。
「ねえ、ほんとに大丈夫だからさ。・・・高木刑事、早く帰らないと、風邪引いちゃうよ?」
この日、ここトロピカルマリンランドでは、ちょっとした事件が起こっていた。
指名手配中の麻薬ディーラー矢倉麻吉が、麻薬の取引場所としてトロピカルマリンランドを利用しようとし、なんの因果かその取引相手(・・・実際は、ただの運び屋でしかなかったのだが
)の荷物と高木の荷物が間違って入れ替わってしまう、というハプニングが起きたのだ。
おかげでこの場所で取引が行われるということが判明し、結果として矢倉の逮捕にまで漕ぎ着けたわけなのだが・・・その代償として高木は、何やら「大切なもの」を失ってしまったらしい。
何をどうしてしまったのか、高木ははっきりとは口にしていないのだが、そのへこみきった表情と彼の言動から、コナンはそれが何であったのか、ある程度の察しをつけていた。
そして、矢倉の確保のため、及びその「大切なもの」を取り戻すために海に飛び込んだ高木は、現在全身ずぶ濡れ状態。いくら真夏とはいえ、いつまでも濡れたままの服を着ていては、明日の朝には間違いなく風邪を引いていることだろう。
そのことを心配し、「家まで送るから」と言ってくれる高木と美和子に対し、コナンはきっぱりはっきりと辞退の意思を告げた。
子供たちだけで帰すことに尚もためらいを見せる大人二人に対し、「じゃ、駅のホームまで送ってよ。米花駅のホームには蘭姉ちゃんに迎えにきてもらうから、それなら安心でしょ?」と妥協案を提示する。
最初は難しい顔をしていた美和子も、確かに高木の車には全員が乗れないこと、そして一刻も早く高木を着替えさせなければならないことを考えて、コナンの提案を受け入れた。
高木と美和子に「気をつけて帰るのよ!」と見送られ、コナンたちは電車で帰途につく。
「・・・相変わらず、おせっかいね」
電車がゆっくりとホームを滑り出し、元太、光彦、歩美の3人がホームで手を振る高木たちに応えて「おやすみなさーい!」と手を振り返すのを横目で見守りながら、哀がコナンに小さくささやいた。
「・・・あん?何のことだよ」
「あの二人も、どうせ電車に乗って帰らなきゃいけないのに。・・・わかっていて、黙ってたのね?」
「ああ、そのことか」
わずかに呆れたような表情を見せる哀に、コナンは苦笑してみせる。
「・・・今日は何だか、二人のデートの邪魔をしちまったみてーだからな」
「だから最後くらいは気を使ったってわけ?・・・他人の恋愛ごとになると、随分と聡いのね」
自分のことになると、からっきしのくせに・・・と言外に言ってくれる哀には「うっせーよ」と返しておいて。
コナンは口元に、かすかに笑みを浮かべる。
(さて・・・そろそろ気付いたかな、高木刑事・・・)
海の底に沈んでしまったのは、美和子に渡すはずだった「大切なもの」だけではないのだ、という事実に。
・・・沈んだカバンの中に入っていた彼の財布や免許証、家の鍵や車の鍵も、すっかり水の底に消えてしまったのだということに・・・。
※※
「・・・さ、私たちも帰りましょうか」
コナンたちを乗せた電車が見えなくなるまで見送ってから、美和子は傍らに立つ高木を振り返り、やわらかな微笑を浮かべる。
二人っきりでのデートには次から次へと邪魔が入り、プレゼントするはずだった大切な指輪も海の底。
だが、今日・・・間違いなく自分と美和子の気持ちが一歩近づいたことを、高木はしっかりと感じていた。
だから、「そうですね」と応えながら、彼女に向かってそっと手を差し出す。
美和子は小さくくすっと笑ってから、高木の手に自分の手を重ねた。
「・・・とりあえず駐車場に戻りましょうか」
「そうね。このカッコじゃ、これからどこかに行くってわけにもいかないし。・・・コナン君じゃないけど、早く着替えたほうがいいわよ」
「そ、そうですね」
これからどこかに行く・・・という美和子の言葉に、思わず反応してしまう。
すでに時間は夜の9時。
一応、気持ちの通じ合った恋人同士なのだから、彼女の言葉から高木があらぬ想像をしてしまったとしても、無理はないだろう。
(・・・服さえ、濡れてなければなあ・・・)
真水に濡れたのならともかく、高木が飛び込んでしまったのは海の中。
多少水分が飛んでしまっても、べたべたとした塩分が身体にまとわりついていて、気持ち悪いことこの上ない。美和子の(・・・というか、コナンの)言うとおり、確かにさっさと自宅に帰り、シャワーを浴びて着替えたいところである。
だが、せっかくのいい雰囲気。
この機会を逃しては、次のチャンスが巡ってくるのはいつになることか。・・・何しろ警視庁一の人気者である美和子のこと・・・邪魔をする輩は今日のように、それこそ掃いて捨てるほどいるのだから。
ごくりと唾を飲み込んで、高木はぴたりと足を止めた。
「あ、あの、佐藤さん・・・」
「・・・何?」
つられて立ち止まった美和子が、訝しげに首をかしげ、高木の顔を見上げてくる。
間近で見つめる切れ長の美しい瞳にどぎまぎさせられながら、高木は彼女の手をぎゅっと握り締めた。
「あ、あの・・・も、もしよかったら、これから・・・」
「・・・これから・・・?」
「これから・・・僕の部屋に、きませんか・・・?」
いい年をした大の男が、たったそれだけを口にするだけで、口の中がカラカラに乾いてしまう。
恐る恐る彼女の反応を見守る高木の前で、美和子は一瞬、目を見開き・・・そしてその後、微かに頬を染めて艶やかに微笑んだ。
「・・・いいわよ」
はにかみ混じりの彼女の答えに、天にも昇る夢のような心地にさせられて。
高木は叫びだしたくなるような、走り出したくなるような衝動を何とか抑えるのに必死だった。
・・・のだ、が。
※※
「・・・で、そのことに今になって気付くなんて・・・抜けてるにも程があるんじゃない・・・?」
目を細めてじーっと冷たい視線を送ってくる美和子に、高木は
鍵を開けることのできない自分の車に寄りかかり、肩を落として「はあ・・・・」とため息を吐き出して小さくしょぼくれてしまった。
そう・・・トロピカルランド駅から、高木の車を停めた駐車場まで。
手を取り合った二人は、そっと身を寄せ合って歩いてきた。・・・いつもより更に彼女を身近に感じ、これから二人きりで過ごす時間に想いを馳せながら・・・それこそ、夢心地で。
だが、駐車場の車までたどり着いた高木を待っていたのは、とても厳しい現実だった。
「・・・で?あのカバン、他には何が入ってたの?」
「ええと・・・家の鍵と、車の鍵と・・・財布と、免許証と・・・」
「まったく・・・もっと早くに気付きなさいよね!」
美和子の言うことはもっともで、高木はさらに肩をすくめるしかない。
我ながら、なんとも無様で笑い話にもなりゃしない。
カッコつけて、自分の部屋にまで彼女を誘い、OKの返事を貰って有頂天になってここまで来てみれば・・・車は動かせないわ、部屋にも入れないわ。なおかつ財布までないときては、
電車で移動することも、近くのホテルに泊まることさえできないではないか。
「・・・とにかくお金、貸してあげるから。今日のところはどこかのビジネスホテルにでも泊まるのね」
「・・・はい・・・」
今にも消え入りそうな声で、「すいません・・・」と呟くと、美和子は高木のあまりの憔悴振りに同情したかのように、苦笑いを浮かべて彼の肩をぽんと軽く叩いた。
「・・・ま、カバンを落としたのはあなたのせいじゃないんだし、犯人確保のための必要経費よ。あんまり落ち込まないで」
財布をなくしたから。鍵をなくしたから。・・・そんな理由で落ち込んでいるわけではないのだ。
美和子を前にして、あまりにもカッコのつかない自分自身が、あまりにも情けなくて・・・。
現に、二人の間に漂っていた甘い空気は跡形もなく消えうせてしまい、さっきまで自分に寄りかかるように身を寄せてくれていた愛しい人は、いつもの「きびきびとした」先輩刑事の顔に戻ってしまっている。
もちろんそんな彼女も、高木の好きな美和子であることに間違いはないのだが・・・もう、「僕の部屋で云々」という雰囲気ではなくなってしまって・・・。
その原因は、自分の迂闊さ。
せめて、あの駅のホームでそのことに気付いていれば、彼女を部屋に誘うこともなかったのだ。
誘ってしまい、あの雰囲気を作り出してしまったあとなだけに、この失態はなおのこと高木の胸に堪えた。
始めからなければ諦めもつくというのに、一度は間違いなく存在してしまった甘い時が、すっかり霧散してしまったというのは・・・まったくもって、痛かった。
かといって、いつまでもへこんでため息ばかりついていては、美和子に気をつかわせてしまうだけ。高木は何とか笑顔を作り(・・・かなり、引きつってはいたが)、顔をあげた。
「すいません、佐藤さん。じゃ、お言葉に甘えて・・・給料日にはお返ししますので。それと・・・すいません、お宅まで送れなくて・・・」
自分の部屋にまで誘って、美和子はそれを拒絶しなかったのだから、場所をこれから泊まるホテルに替えればいいだけのこと、なのかもしれないが。
ここまで情けない姿をさらしてしまった今となっては、高木も「一緒にホテルに・・・」とはとても言えなかった。
何しろ後日返すつもりとはいえ、ホテルの部屋代は美和子の財布から出ることになるのだ。初めて過ごす夜の部屋代が彼女持ち、などと、男としてそれはあんまりだろう。
もう、今夜のことは、高木はすっかり諦めていた。
そんな律儀な高木の物言いと、無理をして作った笑顔がおかしかったのか、美和子はくすっと小さく笑う。
「・・・あら、私、一人で帰ればいいの?」
「え」
「・・・さっきは、あんなこと言ったくせに」
「あんなことって・・・あ、あの・・・さ、佐藤さん・・・?」
あんなこと・・・とは、やはり。
僕の部屋に来ませんか、と誘ったことを指しているのだろう。・・・と、いうことは。
「い、いいんですか・・・?」
おずおずと、高木が確認する。
「・・・その服。すぐに洗濯して、明日の朝までに乾かさないといけないでしょ? やってあげるわよ」
「いや、どうせいつも一人暮らしですし、洗濯くらい、自分でやりますけど・・・」
「・・・バカね」
何がおかしいのか、美和子はさらに、楽しそうに笑った。
「こういうときは、洗濯は苦手なのでお願いします、って、言っておけばいいのよ」
「あ・・・」
美和子の言いたいことがようやくわかり、高木はわずかに顔を赤らめる。
そして、
「・・・お願いします」
高木の返事に、美和子は優しく微笑んだ。
一度は失せてしまった「時間」が、ふたたび二人の周囲に舞い降りていた。
※※
ねえ、約束してくれる・・・?
絶対、いなくならないって。
私の元から、いなくならないって・・・。
(・・・ごめんな)
電車に揺られながら、コナンは胸の中で呟く。
頭の中に響くのは、トロピカルマリンランドでの佐藤の言葉。そして脳裏に浮かぶのは・・・大切な幼馴染の、顔だった。
だから、けっして当人には届かないと思っていながらも、胸の中でつぶやくしかない。
蘭の元から、いなくなって。
ずっと、一人にさせて。
もし蘭に、佐藤のような台詞を口にされたとしても・・・自分は間違いなく、高木のように頷いてやることはできないのだ。
・・・今、は。
米花駅のホームに電車が滑り込む。
高木と佐藤の手前、蘭にホームまで迎えにきてほしいと電話してある。・・・本当なら、まったく必要のないことだったというのに。
自分が子供の姿であるばかりに、蘭に余計な世話をかけてしまっている。
電車が止まる。扉が開く。
ホームへと飛び出す子供たち。
その後を追って、ゆっくりとした足取りでホームに降り立つ。
そこに待っていたのは、笑顔の彼女。
「みんな、おかえりーっ! 楽しかった?」
駆け寄ってくる子供たちを、満面の笑みで迎える蘭。
「蘭お姉さん!」
「ええ、楽しかったです!」
「また事件があったんだぜ!でもオレ達の活躍で、犯人逮捕できたんだよなっ!」
纏わりついてくる邪気のない子供たちに、「よかったわね、楽しかったみたいで」と、優しい口調で応えておいて。
彼女の視線が、ふっとコナンに向けられ、その目元から優しさが零れる。
「・・・コナン君も、おかえり」
それは・・・コナンに向けられた何気ない言葉と、何気ない笑顔だったというのに。
コナンの胸に、痛みが走る。
新一、おかえり。
・・・そう、言われたような気がして。
「・・・ただいま。蘭姉ちゃん」
まだ。
そう・・・まだ、本当の意味では、ただいまとは、言えない。
その現実を、突きつけられたような気がした。
一緒にいてやる、と、そう約束できない、現実を・・・。
優しい蘭の笑顔を見つめ返しながら、コナンはさきほど別れたばかりの二人のことを考えた。
自分たちと同じように、不器用で。
けれど、自分たちとは違って、何の障害もない、二人のことを。
せめて、彼らには・・・。
※※
夜半。
喉の渇きを覚えて、美和子はふっと目を覚ました。
(えーと、水、水・・・)
ベッドから起き上がり、キッチンへ向かおうとして・・・ようやくここが、自分の部屋ではなかったのだということを思い出す。
(・・・え?私・・・いつの間に眠ってたのかしら)
寝起きでぼおっとした頭を大きく振って、何とか思考を正常な状態に戻そうとする。
夕べ・・・ええと、確か。
高木君と、デートにでかけて。
コナン君たちと合流して。
高木君のカバンが間違えられて。
矢倉の取引現場を押さえて。
やつを追っていたら・・・思い出したくなかった、デジャヴに襲われて・・・。
松田君のことを、思い出したわけじゃない。・・・あのとき心が受けた衝撃を、思い出してしまっただけ。
・・・大切な人が、一瞬にしていなくなってしまうという・・・あの時に心に刻み付けられた、胸を切り裂かれるような傷が、蘇ってしまっただけ・・・。
その証拠に。
あの直後に脳裏に浮かんだ顔は、松田君の顔じゃなかった。
(・・・高木君・・・)
絶対に私の元からいなくならないで、と叫んだ美和子に、彼は力強く頷いてみせた。たったそれだけのことで、すっと心が軽くなった。
ああ、この人は・・・そばに、いてくれる。いなくなったりしない。
そう信じられたから。
だから、彼が「部屋にきませんか」と誘ってきたとき、一瞬だけ戸惑って、けれどすぐに頷いた。
・・・相変わらずちょっと抜けてる男だから、少々予定は変更になったのだが・・・二人で、夜を過ごすつもりで入ったホテル。
いい年した男のくせに、部屋に入るときにはまるで高校生のように緊張してたっけ。・・・そのときの高木の顔を思い出し、美和子は小さく、くすっと笑っていた。
もっとも、そんなことを思っている美和子にしても、人のことは言えないかもしれない。
いいわよ、と頷いてみせたはいいけれど、柄にもなく緊張して・・・鼓動が早くなってしまっていたのだから。
まずは濡れ鼠の彼からシャワーを浴びさせて、そのあと彼の服を洗濯がてら、自分も浴びてこようと思って・・・思って・・・?
(・・・あ、あら?)
そこからの記憶がない。
なんとなく身体が汗ばんでいることを考えると、シャワーを浴びてはいないようだ。
・・・と、いうことは。
(もしかして、高木君を待ってるうちに・・・寝ちゃった?)
確かに今日は、何のかんのとトロピカルマリンランドの中を走り回り(仕事柄、いつものことではあるのだが・・・)、少々疲労感を覚えていたのは間違いない。
それにしても、まさかこんな日のこんな場面で、普通、眠ったりしない・・・わよ、ねえ・・・。
我ながら自分のしたことに呆れてしまい、美和子は思わず苦笑していた。
自分でも呆れてしまうくらいなのだから、シャワーからあがってきた高木は、きっともっと呆れていたことだろう。・・・と考えて・・・そこでようやく美和子は、自分の近くに高木の気配がないことに気付く。
「た、高木君・・・?」
薄暗いホテルの部屋の中、手探り状態であたりの様子を伺ってみる。
自分が寝ていたベッドには、自分以外には誰もいなかった。・・・ということは。
「・・・バカ」
ソファの上、毛布にくるまって小さく丸まっている人影を発見した美和子は、思わずそう呟いていた。
大の大人が身体を伸ばしてゆっくりと休むには、二人がけのそのソファは小さすぎる。
確か高木のシャワーを待っている間、美和子はここに座っていたはず。それがベッドで眠っていたということは、高木がそこまで運んでくれたということだろう。
そして自分は、こんなところに丸くなってて。
・・・ここまで一緒にきたということは・・・そんな関係になっても、構わないということなのに。それくらい、当然、彼もわかっていたはずなのに。
美和子の着衣には、まったく乱れはない。
眠っちゃった私が悪いんだから・・・その間に何したって、怒らなかったわよ?
そう心の中で呟きながら、美和子は丸まったままで眠る高木の隣に、ちょこんと腰を下ろした。
そっと手を伸ばし、彼の額にかかった洗いっぱなしのぼさぼさの前髪を、優しくかき上げる。
何もしなかったのは、あなたの優しさ? ・・・それとも、意気地がないから?
きっと、どちらもなのだと思う。
「・・・おやすみ。意気地なしさん・・・」
そんなあなたも、愛おしいと思うから。
今日のところは、許してあげるわ・・・。
美和子は腰を浮かせて高木の額に唇を寄せ、そっとキスを落とすのだった・・・。
〜fin〜