Last Updated 2011/09/21
このページでは、.NET Framework および C# について解説する書籍などの資料に関する情報を取り上げます。現時点(2011 年)では書店に置いていないものが多いのですが、Amazon などでは購入可能だと思いますので、参考にしてください。
C# 関連の本はたくさんありますが、開発ツールとしての歴史が浅いだけに、Microsoft Press 発行の本のほうが安定感があります。まず、それらから紹介しましょう。
Visual C# の言語仕様を解説する Microsoft 純正(?)の本です。この本の注目すべきところは執筆者の Anders Hejlsberg と Scott Wiltamuth です。 つまり、C# の開発者本人が執筆したいう点にあります。本を書くには慣れとか、表現力が必要ですから、開発者が執筆したからといって、本の内容がよいとは限りませんが、少なくとも、理解不足や勘違いによる記述はないという点で安心感がありますね。なお、この本の内容は Microsoft の日米のサイトで公開されています。それをダウンロードする手もありますが、3,000 円と安いですから買うほうをすすめます。 |
この本はごく一般的な入門書ですね。満遍なくカバーしているという感じです。逆にいうと、これといってアピールするところはありません。著者は Tom Archer という人で、格別、Microsoft とかかわりのある人物ではないようです。 |
著者の名前を見て、すぐにピンときた人はこの本の内容がどんなものかは想像できると思います。アプリケーション作成のためというより、システム寄り、つまり、.NET Framework の構造を解説する本です。 C# を使ってアプリケーションを作っていると、いずれ、アンマネージコードやリフレクションに触れざるを得なくなります。そのときに役に立つ本といえるでしょう。なお、本のタイトルの中に「.NET Framework」とありますが、クラスライブラリに関する記述はほとんどありません。 |
Petzold は伝説的名著「プログラミング Windows 3.1」の著者として有名ですね。本のタイトルのとおり、C# を使う Windows アプリケーションの作成に的をしぼった内容になっています。逆にいうと、WEB 対応だとか、データベース関係についてはまったく触れていません。その分野に対する興味がないのでしょうね。多分! 私もそうですから。 下巻はグラフィックス関係だけを取り上げていることから考えても著者はグラフィックス関係が得意なんでしょう。 しかし、本の内容は C# 全般に渡っていて、しかも、非常に詳細な記述になっています。つまり、読者が本を読んでいる途中で理解しにくいだろうと思われる個所は補足しながら書き進めています。上・下巻に分かれていて、ボリュームのある本ですが、買って損をしたと感じる本ではありません。 ただし、納得のいかない点もあります。 Windows フォームアプリケーションを作る場合でも、コンソールアプリケーションとして作っています。また、コントロールを実行時に作成していますので、デザイン時にはフォームに何も表示されません。ここまでは、変則的ではあっても、問題ありません。しかし、コントロールをフォームレベルのコントロール変数として宣言しないなど、変則的の度を過ぎています。 著者は超有名人ではありますが、この本のコーディングスタイルが模範的だとは決して考えないでください。 |
「C# 標準リファレンス」と紛らわしいのですが、合わせて読むといい本かもしれません。この本にはハッキリとした特徴があります。つまり、キーワードを見出しとしている点です。たとえば、#pragma とか、if のようなキーワードごとの解説になっています。 |
この本は洋書です。しかし、おすすめするために収録したのではありません。私は本のタイトルを見てアメリカから取り寄せたのですが失敗でした。ちょっとは骨のある内容だろうと思ったのですが、まったくの初心者向けの本です。1,400 ページ近くもある大部ですが、サンプルプログラムはカスばかりです。 |
.NET Framework クラス ライブラリ
リファレンスが 2003
年 3 月に配本されました。日経BPソフトプレスで購入すると、全 30 巻で 125,000 円にもなります。 過去の経験からいえば、Microsoft が直接かかわる、この種の解説書の質は決してよくありません。お金に余裕のある人はともかくとして、よく調べてから購入することをおすすめします。といっても、本屋に置いていないので、チェックしようがありませんが。 ところで、私もクラス ライブラリ リファレンスを公開しています。クラス別ではなく、目的別の編集になっていますので、実用的に使っていただけると思います。ぜひ見てください。ここにあります。 |
洋書です。.NET Framework とは関係のないタイトルになっていますが、サンプルコードは C# で書かれています。GDI+ の専門書だけに、内容は豊富です。解説は図を多く使っていますので、読むまでもなく、だいたいの内容はつかめると思います。グラフィックス関係に興味のある人にはおすすめします。 |
洋書です。Volume 1 と 2 に分かれています。最新バージョンは .NET Framework 1.1 対応ですが、すでに .NET Framework 2.0 版が出ていると思います。 本の内容はタイトルのとおり、クラスライブラリリファレンスです。英語版 SDK の内容とほぼ同じですが、そのままのコピーではありません。また、"annotated" とあるように、各項目の記事に詳しい人が注釈を付けています。この本の価値は、この注釈にあると思います。つまり、英語版 SDK をベースにしてはいるものの、内容に詳しい人が目をとおしたものといえばいいのかもしれません。 それなら、最初からそうしろよと言いたくなりますね。.NET Framework SDK のほうを手を抜かずに作ってくれたらどれだけのエネルギーの節約になるだろうと考えてしまいます。 本は 2 分冊になっていて、かなり高い本ですから、おすすめかどうかは難しいところですね。お金に余裕があるなら、でしょうか。まあ、ハッキリ言うと、おすすめしません。装丁と値段の立派さの割には内容が乏しいと思います。 |
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